今日は、クロスSWOT分析について話をします。会社の戦略策定ツールです。
SWOT分析を行い、会社の現状分析を行った後、戦略を策定するためにはクロス分析を行う必要があります。(SWOT分析については、前回の投稿をご覧ください)
クロス分析を行わずSWOT分析のみ実施しても、戦略策定には役立ちません。
さて、このクロス分析ですが、名前の通りSWOT分析の内部環境としての「強み」・「弱み」と外部環境としての「機会」・「脅威」の4つをクロス・掛け合わせて戦略を策定します。
具体的には、
①「機会」と「強み」の項目を掛け合わせ「積極戦略」を立案します。
(「積極戦略」:外部環境のチャンス・可能性に自社の「強み」を活かした戦略)
②「脅威」と「弱み」の項目を掛け合わせ「撤退、縮小戦略」を立案します。
(「撤退、縮小戦略」:外部の脅威やリスクを認識し、自社の「弱み」を打開する戦略)
③「機会」と「弱み」の項目を掛け合わせ「改善戦略」を立案します。
(「改善戦略」:外部のチャンス・可能性を活かして、自社の「弱み」を改善する戦略)
④「脅威」と「強み」の項目を掛け合わせて「差別化戦略」を立案します。
(「差別化戦略」:脅威があり、市場が良くないなかで自社の強みを活かした差別化戦略)
4つの中で、優先的に検討すべきは、①の積極戦略です。次に③の改善戦略と考えます。今後の売上向上を優先的に検討するなら、①積極戦略だけでも十分役立ちます。改善戦略、撤退戦略も重要ですが、組織面、リストラ的な面からの戦略となります。
ここからは、積極戦略に関してお話します。
SWOT分析の項目出しですが、
●「機会」は、顧客の変化や業界の情報、法律などリアルな観点からの項目が必要です。
経営者、従業員の方の感じている生の情報が必要です。
●「強み」は、具体的なライバルと比較して重要な取引条件となる項目が必要です。
自社の「良い点」とは異なります。例えば社風がよい、コミュニケーションが良い、などではありません。選ばれる取引条件として〇〇の技術が強い、〇〇の人脈がある、などです。
この掛け合わせから、複数の積極戦略が列挙されます。
列挙後は、複数の積極戦略の中で「優先順位」をつける必要があります。すべてを一度の実施することは不可能ですので、会社での重要度、緊急度、貢献度など項目を点数化し優先順位を付けます。
実施する積極戦略を策定した後は、誰が、何を、どのように、いくらで実施するか「アクションプラン」を作成します。その後、実行、検証することでPDCAサイクルを回していきます。(PDCAサイクル:計画・実行・確認・改善の繰り返し)
SWOT分析、クロスSWOT分析ともに実施する際には、会社内で参加メンバー、事前準備、時間確保、司会者など考慮して進める必要があります。
今後の方針を決めていきたい、社内一体となるため情報共有したい、人材育成を進めたい企業には、情報の「見える化」が図れる SWOT分析、クロスSWOT分析がおすすめです。
このような戦略策定にご興味がございましたら、お気軽にお問合せください。