中古マンションを購入するときの不安
- 築30年以上経過しているが、あと何年間住めるのだろうか
- 将来の資産価値はどうなっているのだろうか
- 修繕費用が高くなるのではないか
- ローンは、最長何年間で借りられるのだろうか
鉄筋コンクリートマンションの税法上の耐用年数は47年となっています
これは、あくまで税法上の話であり、建物の寿命とは異なります。物理的な鉄筋コンクリート造の建物の寿命は、様々な研究がありますが、100年以上もつという研究も多数あります。日本建築学会の建築標準仕様書では、「標準的な使用限界期間」としておよそ100年とされています。長崎県の軍艦島をご存じかと思いますが、軍艦島のマンション群は海水にさらされ、長年修繕もしない状況で100年存在しています。(ただし、最近は建物の崩壊が著しくなっています)
マンションの管理を適切に行い、修繕を継続することにより、建物の寿命は確実に長持ちします。「マンションは管理を買え」と言われる所以です。
物理的な鉄筋コンクリートの寿命が長いとしても、肝心なことは購入するマンションがどれだけ長持ちするか知りたい、ということですね
このマンションの寿命はあと何年間です、と答えは出せないものの、次の点を確認して購入の判断材料にすると良いと思います。
1.1981年(昭和56年)6月以降の建築確認申請のマンション
これは、建築基準法の耐震基準が変更(新耐震基準)となり、より耐震性能が向上しているマンションとなります。必ずしも、この新耐震基準より以前のマンションがだめなわけではありませんが、安心を優先するのであれば、判断材料の一つとなります。
(新耐震:建築確認通知書の発行日が1981年6月1日以降の建物。建築確認通知書は、事業者が建築前に役所に提出する書類です。発行日は、建物の完成日ではありません)
2.計画的に大規模修繕を実施しているマンション
10年から15年程度で外壁補修、屋上防水補修など大規模修繕を実施しているマンションは寿命が延びます。鉄筋コンクリートはひび割れから水が浸入し、コンクリートと鉄筋の劣化を引き起こします。修繕状況は、購入する前に不動産会社に確認すると教えてくれます。
3.排水管、給水管がコンクリートで覆われていないマンション
古いマンションの中には、排水管や給水管がコンクリートの中、あるいは、壁で囲まれ交換ができないマンションがあります。最近取り壊されているマンションの多くは、鉄筋コンクリートの劣化もありますが、設備・配管が物理的に修繕不可能な構造だという点もあります。これは、間取り図では判別が難しいので、給排水管の修繕状況を不動産会社を通じて確認するのが良いと思います。
4.銀行にローンの最長融資期間を確認する
通常は最長35年間のローンを使える銀行多いのですが、中にはローン期間が(50年-築年数)など短期間しか融資しない銀行もあります。念のため、自分が融資を利用しようと検討している銀行に確認してください。
5.賃貸としても借り手が多いマンション
築40年で賃料は低くなったとしても、借り手が多数いる立地であれば安心です。
ネットで周辺の古いマンションの賃貸数、賃貸相場を一度把握するのも良いですね。
新築マンションが高騰している中、管理の良い中古マンションをリフォームして住むことも賢い生活設計のひとつです。